最近、日本の洋菓子店でも注目を集めているのが“塩”を使ったお菓子、塩スイーツ。塩キャラメル、塩チョコ、塩アイス、塩プリン…など、種類も豊富です。これら塩スイーツの故郷は、フランスの北西部に位置するブルターニュ地方にありました。今回の旅人は、女優・かとうかず子さん(50歳)。塩スイーツ作りに挑戦します。
    


 


* 塩キャラメル *

海の幸に恵まれたフランス・ブルターニュ地方。そこで作られる天然のゲランドの塩が練り込まれた有塩バターは、口にほおばると、ミネラルたっぷりの塩が口の中で溶けて、ほのかな海の味が広がってゆきます。 バターは大きく「有塩バター」と「無塩バター」の2つの種類に分かれます。お菓子には無塩バターを使うのが一般的ですが、ブルターニュではお菓子にも有塩バターを使うのです。ブルターニュの有塩バターは、濃さがあってクリーミーなところに、ミネラルの程よくきいた塩の味わいが、かなり絶妙。お菓子の甘さと混ざり合うと、塩味がアクセントとなり、味わいに奥行きを作り出してくれます。ブルターニュ名物の「ガレット」と呼ばれるそば粉のクレープも、塩バターがたっぷり使われます。他にも塩バターキャラメルや塩味のアイスクリームなど、塩味の効いたスイーツはブルターニュの故郷の味なのです。

 

* 海草バター *

かとうさんのホームステイ先は、ヤニック・ゴーチエさん(35歳)のお宅。家族は奥さんのフェルナンダさん(35歳)、長女アンナちゃん(7歳)、次女リンヌちゃん(2歳)の4人家族。グラン・ド・ヴァニーユというお店を経営するヤニックさんは、パティシエの若手有望株です。 最近、ブルターニュのシェフの間で、ブルターニュ名産の有塩バターをアレンジして料理に使うことが流行しています。海草を練り込んだ「海草バター」、スパイスを効かせた「スパイスバター」、トリュフを入れた「トリュフバター」、豚肉の燻製の成分を練り込んだ「スモークバター」など、様々なバターを考案し、新たな料理を創り上げているのです。ヤニックさんの共同経営者、オリビエ・ローランジェさんのお店「メゾン・ド・ブリクール」は3ツ星レストラン。ヤニックさんは、このレストランのパンも担当しています。毎朝3時45分に起きて最初にやるのがパンを焼くこと。数種類のパンを、昔ながらの窯を使って焼いています。ブリオッシュを焼いています。中でも、最近は海草バターを使ったパンが大人気だそうです。 ヤニックさんが作るお菓子には、ブルターニュの塩が練り込まれた有塩バターが欠かせません。この有塩バターを使って、地元の人たちだけでなく、世界中のお客さんが喜んでくれるような新しいお菓子を作りたいと思っています。使いたいのは“海草バター”。この海草バターは、なかなかお菓子には合いにくいのです。果たして、かとうさんは、ヤニックさんと共に海草バターを使って新しいお菓子を作ることが出来るでしょうか?

    

 

*裏話*

塩スイーツ作りをしているヤニックさんに、「日本の塩を使った食べ物を是非味わってほしい!」とお土産を持って行った、かとうさん。塩大福や塩ようかん、桜餅、煎餅の他に、お菓子以外の“塩ラーメン”も用意していました。今までに食べたことのないものを食べるということで期待と不安の表情のヤニックさんたち。特にヤニックさんの助手のニコラさんは、人一倍不安の面持ちでした。恐る恐るまず一口。すると、もの凄い勢いでラーメンの入ったお椀を空っぽにしたニコラさん。何とおかわりまでしました。ヤニックさんが、「塩バターを入れてみてはどう?」と持ってくると、みんな塩バターをラーメンに入れて、あっと言う間にお椀を空っぽにしたのでした。本当に塩バターは、ブルターニュ地方の人々に愛されているんですね。